肺炎球菌ワクチンについて|たきもと内科クリニック|京都市山科の内科・消化器内科・糖尿病内科

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肺炎球菌ワクチンについて|たきもと内科クリニック|京都市山科の内科・消化器内科・糖尿病内科

肺炎球菌ワクチンについて

暑い夏も終わり、朝夕涼しさが増して秋を感じる季節となりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。秋は食欲の秋といいますが、糖尿外来をしておりますと、甘いもの、美味しいものが増えるこの時期は体重増加や血糖値上昇の方も増えております。気をつけて食事、運動、ダイエットを行い、免疫力をアップして、コロナ、インフルエンザに立ち向かっていきましょう。
さて本日は、肺炎球菌ワクチンについてお話させていただきます。
テレビCMで、肺炎予防を啓発するため、段田安則さんが『65歳からの肺炎予防』をやっています。
肺炎は、日本人の死因の第5位で、肺炎で亡くなる方の97.9%を65歳以上の高齢者が占めています。また、日常でかかる肺炎(市中肺炎)の原因として最も多い細菌が肺炎球菌です。肺炎球菌は、歳をとって体力が衰える、からだの抵抗力(免疫力)が弱まったときなどに感染を起こしやすいです。特にお歳をとられると急激に症状が進行するため、元気なうちから継続的に肺炎を予防することが重要です。
肺炎球菌ワクチンは現在3種類存在し、定期接種と任意接種があります。
1.ニューモバックスNP(23価ワクチン)(高齢者定期接種)
2.プレベナー13(13価ワクチン)(子供定期接種、高齢者任意接種)
3.バクニュバンス(15価ワクチン)(高齢者任意接種)
2.と3.は用法用量、適応、禁忌、効果は同じのため一緒とみなして大丈夫です。新しい薬剤であるバクニュバンスか、以前から使用経験があるプレベナーかどちらか使用という認識で結構です。
プレベナーは、小児で定期接種されているワクチンです。乳幼児の肺炎、そこから波及して生じる髄膜炎を予防するために使用されています。
ニューモバックスは高齢者のワクチンで65歳から国の半額補助があり、65,70、75歳、、、、と5年毎に補助はでますが生涯1度きりの補助です。つまり65歳で接種すると70歳、75歳では補助はでません(しかし意外と安価です)。5年ごと推奨というのは意味があって、一回接種するとおおよそ5年で効果が薄くなることと2回め接種の副反応が少なくなるとの報告があります。つまり、できれば65歳で一回接種し、5年ごとにニューモバックスを接種するのがおすすめです。当クリニックでは1回6300円と安価に設定しておりますので、初回3200円、その後は6300円の投与となります。一方で、プレベナーは小児では定期接種、高齢者には任意接種となりますが、こちらは効果が長くつづき、一生に一回の接種となります(実は10年程度の効果といわれていますが、少し高いワクチンですので1回でよろしいかとも思っています。)日本臨床内科学会でも、ニューモバックスが効果切れて副反応も少ない66歳でプレベナーを一回うっておくことをおすすめしています。当クリニックではプレベナーは10,000円です。
65歳を強調しましたが、実は添付文書では、慢性疾患を持つ方(糖尿病、心疾患、喘息などの呼吸器疾患がある方、病気の治療で免疫抑制状態にある人など)は60歳から定期接種として受けることができますので、またご相談ください。予防医学が大事ですから乳幼児だけでなく、大人も計画的なワクチン接種を行いましょう。次回は、今年ノーベル医学賞をとられたカタリン・カリコ先生のお話しをさせていただきます。