腸内細菌part1.
- 2023年5月4日
- 消化器内科
本日は腸内細菌の話題についてブログを書かせていただきます。便秘、下痢、腹痛など困っている方は多いと思います。腸の健康は本人の全身状態の健康にもつながります。とても大事ですのでまた下記を読んでください。2回にわけて連載します。
まず、私たちは、善玉菌健康法と命名して下記のように説明し外来治療を行っています。
大腸には善玉菌と悪玉菌があることは聞いたことがあると思います。大腸に住んでいる菌のことを『腸内フローラ』といいます。多種多様な腸内細菌が生息しており、それらは約1000種100兆個あります。これらの様々な細菌がバランスをとりながら腸内環境を良い状態にしています。顕微鏡で腸の中を覗くと、それらはまるで植物が群生している「花畑([英語] flora)」のように見えることから、『腸内フローラ』と呼ばれるようになりました。
『腸内フローラ』には下記のような役割があります。
1.多種多様(Diversity)な腸内細菌がお互いにバランスをとり合うことで腸の健康を維持する
2.腸内の免疫細胞を活性化し、病原菌などから身体を守る(腸のバリア機能向上)
3.消化できない食べ物を身体に良い物質へ作り変える
『腸内フローラ』のバランスが崩れる(腸内の悪玉菌が増える)と、悪玉菌がつくりだす有害物質も増え、便秘や下痢、肌荒れやアレルギー、慢性的な身体の不調など、さまざまな悪影響を及ぼしますのでバランスが崩れない、つまり善玉菌をたくさん撮り、善玉菌を増やし、悪玉菌が増えないようにすることが健康長寿への一歩です。
まず善玉菌の説明をします。代表的なものとしては『乳酸菌』や『ビフィズス菌』ですが、それぞれ違った特徴があります。
1.乳酸菌(レベニン)
主に小腸にすみつき、炭水化物などの糖を消費して、主に乳酸をつくります。乳酸菌の種類は多種多様で、腸内にすむ細菌のバランスを整えることにより、健康に役立っています。
2.ビフィズス菌(レベニンS)
赤ちゃんの『腸内フローラ』はビフィズス菌などの善玉菌がいっぱいです。成長するにつれて腸内は変化し、善玉菌と悪玉菌のバランスのとれた『腸内フローラ』になります。しかし、老年期に入るとビフィズス菌が減り、ウェルシュ菌、大腸菌などの悪玉菌が急激に増加し中にはビフィズス菌が1%しかないというケースもあります。このように腸内環境の変化は、老化や生活習慣病と関係していると考えられています。作り出された乳酸や酪酸には、悪玉菌の増殖を抑制し腸の運動を正常にして軟便や便秘などを改善する整腸作用があります。
善玉菌の栄養源となるものと合わせて摂ることで、善玉菌を増やすことができます。
身体に良い善玉菌を含むものをプロバイオティクス、その善玉菌の栄養源となるものをプレバイオティクス、そして両方を合わせて摂ることをシンバイオティクスと呼びます。
プロバイオティクス
発酵食品
乳酸菌やビフィズス菌、酵母菌、麹菌などの善玉菌が含まれています。継続的に食べるとより効果的だとされています。
※塩分が多い食品もあるのでご注意ください。
<例>ヨーグルト、ぬか漬け、納豆、キムチ、味噌、チーズ
整腸剤
さまざまな種類の乳酸菌やビフィズス菌が凝縮されており、効果的に『腸内フローラ』を整えます。『腸内フローラ』を整え、便秘や軟便を改善します。
次回は、プレバイオティクス(善玉菌の栄養)から続きを書かせていただきますね。また次回よろしくお願いいたします。