肥満治療(part1.非推薦)|たきもと内科クリニック|京都市山科の内科・消化器内科・糖尿病内科

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肥満治療(part1.非推薦)|たきもと内科クリニック|京都市山科の内科・消化器内科・糖尿病内科

肥満治療(part1.非推薦)

皆様、こんにちは。花粉症の季節が終わったと思えば今年は黄砂がひどく飛んでいますね。金属アレルギーとも関係があるとか気管支喘息が悪化するという報告もあるのでマスクだけではなく花粉眼鏡も考慮しましょう。今回は肥満の治療について述べさせていただきます。

まずは薬物治療ですが、先に使用するべきではない薬剤からお伝えします。一般にはネットで効果ありと報告されていますがおすすめしません。

利尿剤・下剤・αGI

一時的に脱水状態になりますので体重は減りますが熱中症で倒れる可能性あります。

甲状腺ホルモン

身体の代謝量を増加させ甲状腺機能亢進症またはバセドウ病という状態になります。動悸や多汗などいろんな他の問題もでてきます。

覚醒剤

食欲抑制効果をもつものがありますが依存性中毒性が強く違法です。

漢方

若い女性で劇症肝炎で死亡例も報告されました。おすすめできませんが副作用がないか確認しながら防風通聖散という薬(便秘薬)だしたことがありますがそれほど劇的にはやせません。

.食欲を抑える薬には、セロトニン受容体作動薬やアミノ酸誘導体などがあります。商品名サノレックス、薬品名マジンドールです。食欲中枢への直接作用及び神経終末におけるノルアドレナリン,ドパミン,セロトニンを介した機序により摂食抑制作用を示すとともに消化吸収を抑制することにより摂取エネルギーを減少させ,肥満を是正すると考えられています.保険適応はBMI35%以上で3か月投与が限界です。あと問題点はアンフェタミンという覚せい剤と類似している、嗜好性もある可能性があることが挙げられます。一般的な目安としては、1ヶ月で35kgほど体重が落ちると言われています。作用としては、脳内の食欲をコントロールする物質に作用して、食欲を抑える効果があります。しかし、副作用として、口渇、めまい、頭痛、下痢、吐き気などが報告されています。また、長期的に使用する場合は、依存性や副腎機能低下症候群のリスクがあるため注意が必要です。これまでの使用経験では報告ほど痩せない印象です。

2.脂肪の吸収を抑制する薬には、脂肪分解酵素を抑制するリパーゼ阻害剤があります。オルリスタットやゼニカルという薬品名で患者さんからこの薬が欲しいといわれて調べました。この薬は、脂肪の吸収を抑制するため、体内に蓄積される脂肪量を減らす効果があります。しかし、脂溶性ビタミンの吸収が阻害されるため、副作用として栄養素不足が生じる可能性があるため、医師の指導のもとで使用する必要があります。また海外から直輸入のため当院では使用経験もありませんし使用予定は今のところありません。

外科的治療では、BMI40以上、あるいは35以上で重度の合併症がある場合に、胃のサイズを縮小する手術(減量手術)(Sleeve手術)が行われることがあります。日本では保険適応となりました。手術ですので効果が高いですが、合併症や後遺症がある場合があるため慎重な判断が必要ですし、全身麻酔、お腹を切る、入院も必要で希望される方はまだ少ない印象です。

胃カメラを使って、胃内に風船を入れる(内視鏡的バルーン留置術)というのもあります。これは道具をアメリカから直輸入できて医療保険は通っていませんが、使用経験は5例ほどございます。胃の中にシリコンの風船の中に水を500ccいれて食べれなくするのですが、皆さん嘔吐が結構ひどく、つわりみたいでしんどいとおっしゃり、すぐ抜いてほしいという方が多くてやめている状況です(万が一希望されればお伝えください)。

今回のお話はこれで終了です。次回は効果のある薬物治療とくにGLP1などについてお話をさせていただきますので次回も楽しみに読んでください。