糖尿病と発汗異常|たきもと内科クリニック|京都市山科の内科・消化器内科・糖尿病内科

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糖尿病と発汗異常|たきもと内科クリニック|京都市山科の内科・消化器内科・糖尿病内科

糖尿病と発汗異常

糖尿病では、有名な3大合併症があります。眼、腎臓、神経です。シメジで覚えてください。教科書的にはこの順番に悪くなります。シ:神経。メ:眼。ジ:腎臓。この中で本日は神経のお話をします。糖尿病性神経障害をクリニックで診断や評価するのは他の合併症より難しいです。行っているのは音叉で足の感覚障害が落ちているか、心電図でR-R間隔が一定であるなどですが、後者も20分くらい時間もかかりますので病院に依頼することが多いのが現状です。また胃カメラをすると食事が残っているときは胃の動きが悪いのではないかと推測はしたり、便秘症も神経障害の特徴といわれています。昔はアスピリン試験といってアスピリンを飲んで、数時間後血中濃度を測定し、アスピリン濃度が上がってこないから胃の動きがわるい、つまり糖尿病性神経障害と診断していました。一方で、前述の通り、一番最初に糖尿病の偶発症として自覚するのが神経障害であり、足の裏の違和感などでこられる方が多いです。紙の上をあるいている感じとおっしゃる方もいます。この神経障害ですが、一番困るのが、糖尿病が悪化すると痛みが消失してしまい、怪我をしても放置して足壊疽になり切断(amputation.アンプタといいます)することになってしまいます。これが困るのでフットケアの指導なども行っていますが、やはりHA1cを低下させることが最も重要で、フットケアの勉強や意識も必要です。この神経障害ですが、汗にも大きく関与しています。汗がすごくでるという主訴で糖尿病が発見されることも多々あります。これは糖尿病性神経障害の可能性があるからです。末梢神経には、運動神経、感覚神経、自律神経と3つあります。このうち自律神経には交感神経と副交感神経があり、その調整を人間は行っているのですが、神経がやられるとこれがうまくいかず、発汗異常をきたします。そのことが一因で、味覚性発汗(辛いものを食べて汗がでますが、糖尿病の方はそうでないものを食べても顔面や頭部に汗をかくことです)、低血糖時に発汗などもあります。一方で逆に発汗低下も糖尿病の神経障害で起こります。そのことで汗をかかない、体温の調整がうまくいかない、冷却できないので熱中症になりやすくなります。多汗に対する治療薬は無いので血糖コントロールや初期からしっかりした内服コントロールを行っていきましょう。