男性更年期障害|たきもと内科クリニック|京都市山科の内科・消化器内科・糖尿病内科・小児科・皮膚科

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男性更年期障害|たきもと内科クリニック|京都市山科の内科・消化器内科・糖尿病内科・小児科・皮膚科

男性更年期障害

皆さま。猛暑が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。毎年感じていますが、一昨年より昨年、昨年より今年、熱く感じませんか。クーラーなしでは生活できないですね。患者様も生活習慣病の方が当院は多いですが、今の時期は熱中症のことが怖いので家でゆっくりしてくださいとおすすめしております。
本日は、複数の方から相談をうけた、男性更年期障害について学んだこと、そして今後の予定についてご報告いたします。男性更年期障害(LOH症候群)はLOH:late-onset hypogonadismの略語です。性腺機能低下症(Hypogonadism)が更年期(late-onset)に生じる病名で、日本泌尿器科学会からガイドラインがでているので拝読いたしました。
男性更年期は、40代後半から50代にかけて多く見られますが、個人差が大きく、30代で発症する人もいれば、60代以降に発症する人もいます。40歳を過ぎれば、誰でも発症する可能性があるため、年齢に関係なく注意が必要です。診断は問診と血液検査で意外と簡便にできます。
• 問診:
男性更年期障害の症状(身体症状、精神症状、性機能に関する症状など)を詳しく聞き取り、AMSスコア(男性更年期症状を評価する質問票)を記入しますAMSスコア。AMSスコアが27点以上で軽度の異常、37点以上で中等度以上の異常が示唆されます。
• 血液検査:
遊離型テストステロン値を測定します。国際的には総テストステロン値が300ng/ml未満を男性更年期障害と診断しますが、日本では遊離型テストステロン値8.5pg/ml未満を男性更年期障害と診断する基準としています。
上記のAMSスコアですが私もやってみました。3分くらいでできますのでぜひ皆様もやってみてください。私は軽度更年期障害となってしまいました。
さて、ここからが本題なのですが、診断や治療の適応、そして治療方法について説明します。
40歳以上男性で、下記の症状がある方が検査の対象です。
関節や筋肉の痛み:腰痛、関節痛、手足の痛み、背中の痛みなど.
発汗:突然の大量発汗、ほてり.
睡眠の悩み:寝つきが悪い、眠りが浅い、寝起きが悪いなど.
疲労感:眠気、倦怠感.
精神的な症状:いらいら、神経質、不安感、憂うつな気分.
身体的な症状:筋力低下、行動力の減退、性欲の低下、早朝勃起の減少など
採血は、FテストステロンRI(血清)を行います。8.5pg/dl未満の場合にテストステロン補充療法の適応とされています。ただしテストステロン値が8.5pg/dl以上の場合でも、ご本⼈の⾃覚症状が強く、⽇常⽣活にも影響を及ぼしているようなケースでは、テストステロン補充療法が必要と判断して治療を開始することも考慮します。
治療⽅法
1. 漢方治療。安価で保険内診療で行えます。当院では下記の投薬を行うことが多いです。
桂枝茯苓丸エキス顆粒(医療用)
補中益気湯エキス顆粒(医療用)
2. ホルモン補充療法
こちらを積極的にすすめていますが、残念ながら日本の保険制度は厳しく、厚生労働省は男性更年期障害を病気ではなくて気持ちの問題ととらえているのでしょうか、保険外となっているのです。よって
下記の薬剤は保険外診療となってしまうのをご了承ください。
エナルモンデポー筋注250mg 1mL。4週間に⼀度、肩に筋⾁注射。1回4,000円。
副作用:肝機能異常(頻度不明。低値)でほとんどありません。
一方でこの薬剤は現在出荷調整がかかっており手に入りにくい現状がありますので、一度気になる方はおはやめに外来でお声掛けください。