寒暖差アレルギーについて|たきもと内科クリニック|京都市山科の内科・消化器内科・糖尿病内科

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寒暖差アレルギーについて|たきもと内科クリニック|京都市山科の内科・消化器内科・糖尿病内科

寒暖差アレルギーについて

皆様、12月になり急に寒くなってきましたね。いかがお過ごしでしょうか。本日は、最近テレビでも話題の(寒暖差アレルギー)についてお話させていただきます。寒暖差アレルギーは別名、血管運動性鼻炎といいます。
先々週くらいから、鼻水 鼻詰まりで外来受診される方が増えて参りました。3月、4月程ではありませんが、実は関西ではスギ花粉が少し飛んでいるので、その可能性はないのかなとも思っていましたが、この、寒暖差アレルギー(以後、血管運動性鼻炎といいます)としか考えられない患者様が複数人いました。
そこで本日は、血管運動性鼻炎について後述させていただきます。
鼻炎には大きく以下の4つがあります。「感染性」「過敏性非感染性」「刺激性」「萎縮性」となります。
1.「感染性」・・・ウイルスや細菌が原因となるもの
2.「過敏性非感染性」・・・アレルギー性、非アレルギー性、味覚性、寒冷気性、老人性、薬剤性、心因性、妊娠性、内分泌性、乾燥性
3.「刺激性」・・・物理性、化学性、放射線性、その他
4.「萎縮性」・・・鼻の粘膜が薄く(萎縮)硬くなり、鼻腔が広がって乾燥する慢性鼻炎の一種 高齢の方に多い
1.感染性はいわゆる鼻風邪です。3.は市販の点鼻薬を使いすぎることによって起こる「薬剤性鼻炎」です。
2.「過敏性非感染性」のうち非アレルギー性に含まれるのが「血管運動性鼻炎」です。老人性鼻漏もこの範疇に含まれます。
「血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)」とは、血管運動性鼻炎は,非アレルギー性鼻炎とも呼ばれ鼻粘膜の血管の腫れによって症状が現れる慢性鼻炎の中のひとつの病気です。
主として冷・暖の変化が引き金となって発症することが多くみられます。寒い外から暖かい部屋への移動(外気温の急激な変化)や精神的なストレス、タバコの煙、飲酒、妊娠など、原因となるものがきっかけとなり自律神経の働きを制御できなくなることで、くしゃみや鼻づまり、鼻水などの鼻炎の症状がおこるのではないかと考えられています。そのため春や秋の季節の変わり目や、5~6月ぐらいの新年度の疲れが出始める頃、あるいは梅雨時期、寒くなる季節に症状が強く起こる方もいます。
頻度が高いのは、女性、40歳以降の方に多く、主に自律神経のバランスが崩れることで発症すると考えられており、寒暖差のほか、疲れや寝不足、精神的ストレス、タバコの煙やニオイが原因で発症します。
症状は、アレルギー性鼻炎と同様にくしゃみ・鼻みず・鼻づまりといった症状が現れます。
(治療方法と治療期間)
アレルゲンとなるものが見当たらないため、現れた症状を抑えるための対症療法が主な治療です。
血管運動性鼻炎の症状はアレルギー性鼻炎の症状と似ているため、症状を抑えるためにアレルギー性鼻炎に処方される抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬を用います。いわゆる対症療法です。アルギー性鼻炎とは違いアレルゲンを取り除くことができませんので治療は長期間にわたる場合もあります。
(対症療法とストレスの除去で対処)
症状の悪化時には自律神経のアンバランスを来していることが多いため、そうした原因がないかを考えてみます。例えば、多忙や睡眠不足の場合には休養を取るように心がけたり、ゆっくりと入浴し睡眠を十分に取るようにすることで改善することもあります。また受験、就職、結婚、出産、転居などライフイベントに合わせて起こることもあり、環境の変化やストレスが生じたときには注意が必要です。
症状を悪化させないためにも体調を整え、質の良い睡眠をとりストレスを溜めないようにすることが重要です。
(診断)下記の通りです。
1)まるでアレルギー性鼻炎のような症状がある(くしゃみ・鼻水・鼻づまりのうちのどれかもしくは全部)
2)きっかけ(薬剤、喫煙、妊娠授乳、職場環境、シックハウスなどの化学物質、、、)が思い当たらない
3)眼のかゆみなどの症状がない。
上記項目をを満たせば「血管運動性鼻炎」と診断できると考えます。
(治療法)特化した治療法は無く、アレルギー性鼻炎治療薬の治療を行います。点鼻ステロイド薬、抗ヒスタミン薬になります。血管運動性鼻炎には副交感神経の興奮が関与しているとも言われているので、生活リズムなどを整えて自律神経のバランスが乱れないようにすることも大事ですし、体を温めるのも良いとされています。日常生活での注意点としては、マスクをすることで、冷気が鼻の中に入りにくくなれば、症状はかなり軽くなります。朝の散歩の時に、鼻水が多く出る方は、マスクをしてみましょう。
 しかし、この冬もインフルエンザ、コロナ、子供はアデノウイルス、溶連菌も流行していますのでそれらを除外することも肝要と思います。皆様、寒さ厳しくなっていますので体調管理には十分にお気をつけ下さい。