肥満について(食事・運動編)|たきもと内科クリニック|京都市山科の内科・消化器内科・糖尿病内科

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肥満について(食事・運動編)|たきもと内科クリニック|京都市山科の内科・消化器内科・糖尿病内科

肥満について(食事・運動編)

肥満のある方は、どの病院やクリニックへいっても主治医から、(瘦せてくださいね!)と指導されることと思います。なぜならば太っていると大病の元となるからです。糖尿病、高血圧、脂質異常症の3大生活習慣病をはじめ、高尿酸血症、脂肪肝などの他の生活習慣病も発症しやすくなります。そしてそれらを放置していると動脈硬化が生じて、知らない間に脳梗塞や心筋梗塞など重篤な疾患を生じてしまいます。痩せる最良の方法は、食事と運動が2大方法であり、もう一つが薬物治療です。今回は前2者についてご説明します。
肥満の予防・治療は食事と運動を合わせて行うことが重要です。食事によるエネルギー摂取を減らすことと運動によるエネルギー消費を増やすことを行います。極端な食事制限では、身体活動が思うように行えず、脂肪以外の筋肉量を減少させます。これは有名ですよね。絶食して痩せても、すぐリバウンドします。極端な食事制限を続けていると身体の保護作用が働き、安静時のエネルギー代謝率が悪くなってしまいます。
私が外来の患者様に食事指導するときは以下の8つを説明しています。
1. 1日3食、規則正しく食べる
2. バランスよく食べる
3. 寝る2~3時間前までに食事は済ませる
4. 野菜・きのこ類、海藻類を1日350g以上食べる
5. 腹八分目にする
6. 間食は控える
7. 糖分入り飲料は控える
8. ゆっくり良く噛んで食べる
上記8つに気をつけてください。
次に肥満に対する運動についてです。
運動を併用することにより、安静時のエネルギー代謝が促され、脂肪を燃焼しやすい身体をつくることができます。いわゆる代謝を良くして、太らない体質にするとか、運動することで、こんなにしんどい運動をしないといけないなら、食事減らした方がいい、とさらに食事摂取減少効果にもなります。
肥満の運動療法は、有酸素運動とレジスタンス運動(無酸素運動)が適しています。有酸素運動は糖や遊離脂肪酸を燃焼し、持久性の向上、インスリン感受性の改善を望むことができます。レジスタンス運動では筋肉量が増大し、基礎代謝の維持を図ることができます。運動を行う機会を改めて持つことばかりではなく、日常生活の中で活発に活動する工夫も大切です。食事療法と運動療法を併用して食事による摂取エネルギーよりも運動による消費エネルギーを増やすことにより体蛋白を減らさずに体脂肪を減少させ体重減少効果が得られます。肥満ではインスリン抵抗性がみられますが、運動により、インスリン抵抗性が改善されることで、血圧や血糖、血清脂質の改善がみられることも言われています。
有酸素運動は速歩、ジョギング、水泳、サイクリングなどの種類で、「ややきつい」と感じる運動強度の運動が良いとされています。運動時間・運動頻度は厚生労働省の指針では30~60分の運動を週3日以上行うこととされていますが、私は外来では毎日頑張りましょうと説明しております。レジスタンス運動は、いわゆる筋トレです。筋肉量を増大させて基礎代謝量を向上させること、運動を行うために必要な筋力をつけることを目的に行われ、大臀筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋、体幹筋などの大きな筋群を中心とした筋力トレーニングが適しています。運動の前後には準備運動、整理運動でストレッチや軽い体操などを行い、徐々に運動量や運動強度をあげるようにします。運動だけではなく、日常生活での活動量を増やし、1日の歩数の目標を1万歩以上としてできるだけ歩くようにすることも大切です。初めは、水中歩行など関節への荷重の負担が少ない運動から開始することもよいでしょう。運動開始時や終了時には十分に関節周囲の筋肉のストレッチを行うこと、足に合ったシューズの使用や運動を行う環境などに注意して関節への負担をやわらげる工夫が必要です。怪我をして3日坊主になるという方をよくみかけます。長く運動療法、食事療法をつづけることがダイエットへの最短の近道であり王道なので一生に頑張っていきましょう。次回は薬による体重減少についてです。